國還しストーリー
天津神と、国津神。
古来、この國にはそう呼ばれる二種の神が存在した。
国津神は、國を譲り歴史からその姿を消し…
天津神は天より降り立ち、朝廷として國を治めた。
西宮辰巳はかつて厚い信仰を受けていた国津神を祖神とする一族、
「土蜘蛛」の末裔である青年だ。
今では国津神は蔑まれるべき対象であり、
福島の片田舎で暮らす「土蜘蛛」の辰巳もまた、虐げられ暮らしていた。
だが、ある日彼は不思議な声に導かれ一人の少女と出会う――。
彼女こそは、遥か遠い昔に封印された国津の大神、
『炬詠寂零』であった。
彼女は言う。この国を天津神より奪り還さねばならないと。
彼女は言う。復讐と言う本懐を遂げるため、蘇ったのだと。
その迫力に気圧されるまま、辰巳は神の争いに巻き込まれていく――。